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時事彩々≪第4回≫日中首脳会談に思う





 つい先日、中国の知人と雑談中に「日本が尖閣諸島をめぐる領有権問題で譲歩したのは本当ですか?」と聞かれた。11月10日に開かれた日中首脳会談で日本側が領土問題について「日中間で異なる見解がある」と認めたことが原因のようだ。中国得意の曲解戦法だが、確かに領土問題はないとしていた日本が譲歩したイメージを拭い去ることは難しいだろう。

 さらに不安になるのが、東シナ海での危機管理として「海上連絡メカニズム」の構築を標榜したことだ。これも地下資源の共同開発への譲歩と拡大解釈されはしないかと肝を冷やした。そして何よりも気になったのが、習金平国家主席の会談中の表情だ。握手の際はもちろん、最後まで笑顔など一切見られなかった。世界第2位の経済大国で面子を重んじる中国が、紆余曲折はあったにせよ、外交儀礼の場でこのような態度で大丈夫かとかえって心配になった。

 このとき、頭をよぎったのは、1972年の毛沢東の言葉だ。日中国交正常化に向けた交渉で、田中角栄と周恩来の会談が難航した後、毛沢東は開口一番に「もう喧嘩はすみましたか?喧嘩は避けられないものですよ」と発言し、日本側に譲歩を示した。この度量の広さは一体どこへ行ってしまったのだろうか。



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