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時事彩々≪第10回≫20年で変わった災害への意識




 1月17日で阪神淡路大震災からちょうど20年が経つ。あれからもう20年という歳月が流れたのかと思うと今更ながら時の流れの早さに驚く。

 震災当時、神戸から50kmほど離れた地域にいた。揺れは震度4ほどだったが、一瞬何が起こったのかまったく分からなかった。あの頃、瀬戸内海沿岸は大きな地震災害のない地域と多くの住民が信じていた。台風などの災害も少なく、気候も穏やかで住みやすい地域というのが自慢でもあった。遠方から訪れた人々には「いい場所でしょう」と自慢するのが慣用句でもあった。その過信があの日の5時46分に一瞬にして崩れ去った。震災後の1年間、神戸市三宮に通ったが、2階部分から折れ崩れた高層ビルや無残ながれきの山となった家屋などは当たり前の光景だった。通っていたビルには至る所にヒビが入っていた。当時の報道ではアスベスト被害が噂され、誰もがマスクを着用して歩き、高機能マスクは常に品切れ状態だった。政府の対応の遅さにも大きな非難が集中した。

 あれから20年。その間には数えられないほどの地震が日本で発生し、大きなものでは新潟県中越地震、東日本大震災があった。2014年には地震以外にも火山噴火や豪雨災害によって多くの貴重な命が失われた。もはや自分は災害とは無縁だと言い切れる人は日本にはいないだろう。災害に対する意識はこの20年で大きく変わった。この危機意識を今後も持ち続けることが今後の課題となるのではないだろうか。改善はされているが、行政や個々人の災害対策はまだ発展途上にある。危機意識を高く持ち続け、今後起こるであろう災害に対して犠牲者を増やさないように心がけることこそが、阪神淡路大震災で亡くなった6434名の方々に対する最大の供養になると信じたい。



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