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今週の『ルームファニシング』茶の間談義




道の駅に ビジネスチャンス!?

 国土交通省が全国の「道の駅」成功モデルに6ヵ所の道の駅を選定した。選ばれたのは「川場田園プラザ」(群馬県川場村)、「もてぎ」(栃木県茂木町)、「とみうら」(千葉県南房総市)、「萩しーまーと」(山口県萩市)、「内子フレッシュパークからり」(愛媛県内子町)、「遠野風の丘」(岩手県遠野市)の6つの道の駅。いわば国土交通省によって成功例としてのお墨付きをもらった形になる。

 それぞれの道の駅に成功している理由があるのだが、今回は産業振興で成功した道の駅「萩しーまーと」を紹介しよう。明治維新胎動の地として知られる萩市は観光資源の豊かな地域だが、実は日本海に面した有数の漁業地域でもある。道の駅建設にあたって、当初の計画では観光者向けの「お魚センター」のような施設を作る予定だったという。これに異を唱えたのがリクルートから転職して駅長を務めることになった中澤さかな氏。中澤氏は「地元住民が喜んで買い物に来ない道の駅に果たして旅行者が来てくれるのか?」と当初の計画を全面的に見直した。そして、品揃えやイベントなどのサービスを地元重視に切り替え、結果、「安い!楽しい!」と年間140万人の利用者を誇る全国有数の道の駅へと導いた。さらに、地元の漁業活性化にも取り組む。地元で金太郎と呼ばれて親しまれていたヒメジは市場での魚価が低く、地元でのみ消費されていた魚だった。これをフランス料理でよく使われる高級魚ルージュの近縁種であることに着目。広告やPR効果によって魚価を高騰させ、東京築地市場でも人気の魚にまで押し上げた。

 その中澤氏は言う。「もう道の駅というだけで儲かる時代ではない。いかに独自性を打ち出せるかが勝負」。道の駅は現在1,040ヵ所にある。近隣の道の駅との来場者の争奪戦も激化しており、どの道の駅も企画力に磨きをかけてオリジナリティを出すのに必死だ。出張の途中などに道の駅を見かけたら、そういった観点から観察してみると意外とビジネスチャンスにつながる面白い発見があるかもしれない。



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