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時事彩々≪第18回≫北陸新幹線の開業




 3月14日、北陸新幹線の長野-金沢間が開業した。週末ということもあって、14日と15日に沿線の観光地を訪れた人の数は軒並み例年の3倍以上にのぼっているという。これまで東京-金沢間は乗継で片道約4時間かかっていたが、今回の開業により2時間28分に短縮された。これにより、これまで関西圏との結び付きが強かった北陸地方が関東圏からの人の流れも活発になる。

 地元の地域振興にかける意気込みは高く、金沢駅では様々なイベントが催され、新幹線から降りる乗客にはお土産も配られたという。これを機にと沿線の石川県や富山県、新潟県は観光客誘致に攻めの姿勢を取る。一方で、守りに回ることになったのがこれまで北陸新幹線の終着駅だった長野県だ。例年、東京近郊から多くの観光客が長野を訪れているが、金沢までの開業効果によって長野駅が通過駅となってしまうのではないかという不安の声も出ている。

 ただ、今回開通した金沢や富山も新幹線開業を喜んでばかりはいられない。先駆けて開業していた長野では、新幹線開業による時間短縮で日帰り客や日帰り出張が増加。日帰り出張できるならと、各企業の長野支社や支店なども廃止や縮小されることが増えたという。また、これまで地元で買い物をしていた長野県民が東京へ買い物に出かけることも日常的な光景になった。今回開業した金沢や富山でも同様の現象が起こる可能性がある。さらに、2023年にはさらに先の金沢-敦賀間の北陸新幹線開業が予定されている。8年後には攻守ところを変えて、今度は金沢や富山が守る立場になる。それまでに金沢や富山の魅力をどのぐらい多くの人に伝え、ファンを増やすことができるか。今は北陸新幹線開業に沸いてはいるが、将来に向けた自治体の取り組みが重要になってくることは間違いない。



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