家具・インテリア情報 時事・コラム

時事彩々≪第24回≫サイバー学習国とはなんぞや




 千葉県にある私立通信制高校の学校法人花沢学園明聖高等学校が「サイバー学習国」というバーチャルハイスクールを開校した。だが、開校したと言っても、サイバーやバーチャルという言葉が示す通り、学校はインターネット上の仮想空間にある。生徒たちはネット上で自分の分身となる「アバター」を作成。「サイバー学習国」のバーチャル空間に自分たちの家を持ち、好きな時間にこの家から学校に通うことができる。授業は専用の授業用動画を視聴する。分からないところや生活の悩みがあればメールで教師に個別質問もできる。この学校には教室のほかにも職員室や購買部、テラス、校庭などから農場や釣り場までもが作り込まれている。他の生徒や教師とは文字を打ち込むチャットで会話が可能。生徒たちはこのバーチャル空間で自分の分身を操りながら学校生活を送るわけだ。さらに、授業に出るとポイントが貯まっていくシステムで、そのポイントでアバターの服や自宅用の家具を購入することができる。

 ここまで聞くとまるでゲームの世界のようだが、3年間通えば実際の高校卒業資格を取得できるというから驚きだ。学校内のいじめ問題や不登校問題が大きな課題となった現在の日本社会には受け入れられやすいシステムなのかもしれない。通信教育で送られてきた教材をただこなすのではなく、バーチャル空間であっても誰かとコミュニケーションを取ることは有意義だろう。テレビなどのマスメディアでは情報の受け手となるしかないが、インターネットは情報を発信することもできるため、より現実のコミュニケーションに近いと言える。だが、新たな試みだけに、卒業後のネット依存症などのケースも心配される。すでに入学者は200人を超えるという同校の取り組みは今後も大きな注目を集めそうだ。



家具・インテリア情報
更新情報
アーカイブ(過去記事)