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時事彩々≪第28回≫大阪都構想の投票率




 5月17日の大阪の住民投票で「大阪都構想」が否決されたニュースは日本国民の大きな関心事として投票日前も後も大きくクローズアップされた。投票率は66.83%で、平成23年の大阪府知事と大阪市長のダブル選挙の60.92%を上回る数字となった。

 報道では高い投票率だったと言われているが、果たして本当にそうだろうか。自分の住んでいる自治体が大きく変わるかもしれないという投票であるにも関わらず、3人に1人は投票を棄権しているというのは、とても高い数字には思えない。連日テレビや新聞で大きく取り上げられ、街中では連日、賛成派反対派の演説が繰り広げられていただけに、大阪都構想の投票を知らない人はいないはずだ。とくに選挙後に注目を集めたのが世代間の投票率の差だった。ある出口調査によると、各世代で大阪都構想に反対したのは70歳以上のみだったという。賛成率を世代ごとにみると、20代61%、30代65%、40代59%、50代54%、60代52%だったそうだ。70歳以上では反対が61%であった。様々なデータから、明らかに賛成の多い若い世代で投票率が低く、反対の多い高齢者の投票率が高かった結果となる。以前にも時事彩々で述べたが、将来を担うべき世代が未来の意思決定に意見を反映しない、できていないという世代間格差はゆゆしき事態だろう。

 また、選挙中に気になったフレーズがある。「一度決めたら二度と戻れない」という反対派のフレーズだ。反対意見には市民サービスの低下の懸念などがあったが、このフレーズはあまりにもネガティブなもので記憶に残っている。投票や企業の会議で何かを決めようとしたとき、二度と戻れないから賛成しないというのはあまりにも悲観的すぎないだろうか。投票率の世代間格差と並んで、今回の投票は様々な問題を含んでいるように思える。



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