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時事彩々≪第34回≫お辞儀




「お辞儀」という言葉は、他人への配慮や思いやりが由来でそれが転じて挨拶の意味が加わったという。古来日本人はこのお辞儀を様々な場面で用いてきた。

先日、大塚久美子社長へのインタビューのため、株式会社大塚家具の本社を訪れた。エントランスに置かれたテレビモニターには同社の新しいTVCMが放映されていた。このCMを眺めていたとき、同行記者から「この女性は大塚社長ご本人ですよ」と耳打ちされて、素直に驚いた。まさか社長自らがCMに出演しているとは思ってもいなかったからだ。

そこで、インタビュー中に単刀直入に「なぜCMに出演されようと思ったのですか」と聞いてみたところ、「今までもお客様をお見送りすることは当然のこととして行ってきました。企業の姿勢として、お辞儀をしてお客様のお出迎えとお見送りをしっかりとさせていただくということは当然のことと思っています」というご本人のコメントが返ってきた。確かにテレビのニュースなどでも、先日行われていた「大感謝フェア」において来客者一人一人に丁寧にお辞儀をしている大塚社長の姿を見た記憶がある。

TVCMは高額な費用をかけて直接消費者に訴えかける手法である。限られた時間のなかで商品や企業のイメージを凝縮して伝えなければならない。そのCMのなかにお辞儀しているシーンを映し出すということは、その企業の姿勢を如実に物語っているとも言える。これこそ大塚家具という会社の本来の姿だろう。このシーンをTVCMで流している意味を改めて感じた。



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