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今週の『ルームファニシング』茶の間談義





売り手市場と買い手市場

来春卒業予定の新卒生らの就職活動が話題になっている。今年の大手企業の採用選考は経団連の指針により昨年より4ヶ月遅れの8月1日から正式にスタートする。これに先立ち経団連に加盟していない企業はすでに選考を終えて内定を出しているケースが多く、この8月1日を複雑な面持ちで迎えている採用担当者も多いことだろう。

今年の就職活動戦線について、メディアでは「オワハラ」という言葉が盛んに取り上げられている。オワハラとは就職活動を終わるよう強要されるハラスメント行為のことだというが、なにか言葉のインパクトだけが先走って流行化しているようにも感じられる。真偽のほどは定かではないが、内定辞退を申し出たら担当者にお茶をかけられたと話す学生の姿もあった。実際、文科省が7月30日に公表した調査結果によると、就職活動を行っている学生3,934人を調査対象にアンケートを実施したところ、5.9%の学生がハラスメント行為を受けたと答えたという。こうした事態を受けて下村博文文科相は、7月31日に「新規大学等卒業・終了予定者等に対する採用選考活動開始にあたってのお願い」というメッセージをHP上に掲載している。

しかし、この騒動は裏を返せば、今年の就職活動が売り手市場の傾向が強いことを表しているとも言える。就職氷河期と呼ばれた時代から見れば、まだ内定が出るだけマシということになるかもしれない。かつてバブル時代には超売り手市場として、企業の学生への金銭のバラまきや連夜の接待なども多くあった。景気感によってこれほど売り手と買い手の関係が激しく動く市場も珍しいかもしれない。いずれにせよ、新たに社会人となる新卒生には夢と野望を持って社会への扉を開いてもらいたいものだ。



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