家具・インテリア情報 時事・コラム

時事彩々≪第37回≫千葉パルコ 40年の歴史に幕




株式会社パルコが7月31日、千葉パルコの閉店を決めた。来年11月末をもって、1976年から約40年間続いてきた歴史に幕を閉じる。千葉パルコはJR千葉駅近郊にオープンし、店舗面積は約4万平方メートル。若者向けファッションの発信基地として流行した。1991年度には売上高約232億円を計上したが、2000年頃から千葉市内の大型商業施設の建設が加速化し、次第に集客力を奪われ、2014年度の売上高は約57億円と最盛期の4分の1にまで減少していた。

千葉パルコの閉店に伴い、株式会社パルコでは本年度決算へ閉店に伴う特別損失としておよそ19億円を計上する予定。しかし、株式会社パルコは前期において経常利益124億円の過去最高益を記録するなど、好調な業績が続いている。中期経営計画では、積極投資による「主要都市部の深耕」「コアターゲット拡大」「先行的なICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)の活用」を掲げる。

好調な業績を誇る同社は千葉パルコの閉店を決めた理由として、「今後の店舗を取り巻く商業環境の変化およびこれに対応して新たに必要となる設備投資の見直しなどを総合的に勘案した」としている。大型商業施設の建設による集客が定番と化した昨今、商圏内の顧客の争奪戦はさらに激化している。一般社団法人日本ショッピングセンター協会の調べによると、昨年に新規出店したショッピングセンターの数は55件、平均店舗面積は2万平方メートルを超えるという。今後は集客力に劣る商業施設が多数淘汰されていくことは必至で、大型商業施設へのテナント入店を計画する企業もその見極めが重要となりそうだ。



家具・インテリア情報
更新情報
アーカイブ(過去記事)