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パモウナ 府中・佐々木木工の家具事業を取得




家具業界を代表する棚物家具メーカーである株式菓子やパモウナ(本社:愛知県名古屋市、社長:森宏氏)と、産地府中の有力箱物家具メーカー・佐々木木工株式会社(本社:広島県府中市、社長:川本一徳氏)は、パモウナが佐々木木工の家具製造販売に関する事業を引き継ぎ、平成28年4月から新たに設立する株式会社BIOSという新会社によって運営されることを発表した。

パモウナ・森社長、佐々木木工・川本社長をはじめとする関係者の話をまとめると、資本金1,000万円を以て広島市府中市に株式会社BIOSという新会社を設立、佐々木木工の家具事業部門を同社に引き継ぎ、4月1日から新体制で事業を続けることになる。

新会社は佐々木木工の有する本山工場とショールーム(府中市中須町)を取得し、代表取締役社長に森宏氏(パモウナ・代表)が就任、取締役には非常勤ながら森祐貴氏(パモウナ・常務)、小林秀晴氏(パモウナ・製造部長)、西山美修氏(パモウナ・総務部長)の3名が名を連ね、佐々木木工の川本氏は取締役ではないものの副社長格で新会社の運営に携わる模様。

また、佐々木木工株式会社自体は、川本氏が社長を続け、同社が所有している佐々木木工の旧本社工場跡地(現在は地元スーパーに賃貸)の不動産賃貸業を主体として企業運営を継続していくことになる。

事実上のパモウナによる佐々木木工の買収劇となった今回の事業譲渡であるが、森社長は「経営者としてメリットは当然考えました。例えばパモウナはラミネート加工の食器棚については誰にも負けない技術力とコストパフォーマンスを有していると思っていますが、天然木や無垢材、突板や塗装といった技術や設備についてはほとんど持っていません。佐々木木工さんにはこれがある。こうした技術や設備をグループとして有することになれば新しい取り組みができるのではないかと思っています。さらに言えば、府中と言えば婚礼家具の産地として一時代を築いた地域ですし、業界関係者にはまだまだそのブランド力も健在です。ただ、時流の変化からそのブランド力や提案力が昔と比べるとやや低下しているのも事実。佐々木木工の経営陣や社員の方々と話をしていくうちに、佐々木木工は当然のこと、産地府中が潜在的に持っているこのブランド力や価値を復活させることができるのではないかとも思いました」と、ある種の使命感もそこに生まれてきたことを打ち明けた。

パモウナの平成27年11月期の売上高は53億7,173万円で、税引き前利益は2億9,299万円を計上、弊社が毎年集計している家具製造業者の売上ランキングで2015年期の全国10位にランクイン、品目別ランキングでは3年連続で棚物家具製造業者のトップとなっている。毎期安定した業績推移を見せる同社は、森社長が推進するブランド戦略が奏功して消費者からの指名買いを受ける数少ないメーカーの一社として知られている。
一方、佐々木木工は平成27年5月期の売上高が5億7,753万円で、最終利益は7,368万円の赤字を計上、2015年の家具製造業者売上ランキングでは130位となっている。同社は昭和4年に建具製造業を目的に佐々木矩一氏が佐々木木工所の屋号で創業、11年頃から家具製造に移行し、30年に法人改組、婚礼家具を主力商品として最盛期となった平成5年期には年商39億8,005万円を計上するなど、産地府中を代表する家具メーカーの一社として知られている。ただ近年は婚礼家具需要の減退が加速した点と、販売先が一部大手家具小売店に集中したこともあって売上は減収基調で推移、これに伴い収益面も連続赤字を強いられ財務面の劣化が進んでいた。




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