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アブラヤシ廃材を活用した事業検証に家具業界から14社が参加
家具業界団体としてSDGs活動に積極的に取り組む一般社団法人アジア家具フォーラム(以下、AFF)は、パナソニック株式会社(以下、パナソニック)が開発したアブラヤシ廃材を活用した再生ボード化技術「PALM LOOP(パームループ)™」の事業検証に会員企業14社が参加すると2022年3月17日(みんなで考えるSDGsの日)に発表した。
阿部野代表理事は主催団体として、家具業界の動向とエシカル消費への意識の変化、「PALM LOOP™」との出会いについて語った。素材を提供する足立副本部長は「PALM LOOP」のブランディング発表とそこに込めた想いについて話した。製造参加企業代表として池田副社長は、環境配慮型のものづくりの重要性と将来的に自社製ベッドフレームの2分の1をエシカル仕様にしていくと発表した。製造販売企業代表として狛専務は、現在の家具インテリア市場のトレンドや4月以降に販売を予定している「PALM LOOP」採用アイテムを披露した。
「PALM LOOP™ボード」を採用した家具製品は2022年4月よりAFF会員企業の株式会社大塚家具及び株式会社東京インテリア家具の主要店舗にて販売を開始する。まず大塚家具の有明本社ショールームと東京インテリア家具の幕張店に「PALM LOOP™」ブースが誕生。2022年4月以降は順次店舗数を拡大し、5月には大塚家具で8店舗、東京インテリア家具で6店舗での売場立上を予定している。
パーム油の原料となるアブラヤシは25年ほどの収穫期を終えると農園内に伐採放置され、CO2の約25倍の温室効果があるとされるメタンガスを排出する。このアブラヤシの廃材は水分が多くて腐りやすいなどの特性から有効活用が難しいとされてきたが、パナソニックが業界で初めて中間材を用いた再生ボード化技術を開発した。その工程は、アブラヤシの廃材に多く含まれる不純物を洗浄工程により除去し、抽出した長繊維を圧縮形成して中間材化するというもの。中間材化することで輸送性と保管性も向上するため、遠隔地のボード工場でも従来の木質ボード原料と同じように使用することが可能となる。
事業検証は2022年4月より1年間を予定しており、その期間内は「PALM LOOP™ボード」の供給量を月間25㎡、製造規格を厚さ2.5mmの3尺×6尺及び7尺サイズに限定して市場に投入する。事業検証に参加する企業はAFF会員企業の小売企業が2社、製造企業が12社参加。事業検証期間を通じて、消費者の受容性や調達から市場までの供給流通体制などを確認しながら、事業化に向けて取り組んでいく。
今回、アブラヤシの廃材を活用した再生ボード化技術を「PALM LOOP™(パームループ)」としてグローバル共通名称に策定しました。これは、アブラヤシ廃材のアップサイクルにより、社会に「新たな循環」を生み出し、「私たちのより良い明日」をつくっていく、という AFF 加盟社の意志から紡ぎ出した名称です。 ロゴデザインには、ワンストロークで仕上げることで循環型経済実現の意味を込めた、アブラヤシのシンボルマーク。そして、持続可能性・循環の意味を込めた無限の「infinity(∞)」デザインを盛り込むことで、私たちが目指す未来を織り込んでいます。
AFF 加盟社は、「PALM LOOP」を使用していくことを生活者参加型の環境保全活動と考えています。アブラヤシの廃材による環境問題を、ひとりでも多くの方に知っていただく。そして、 「PALM LOOP」を使用した製品を選ぶことが、地球環境改善への一助となる。こういった考えのもと、生活者と手を取り合い、事業を推進していきます。