東南アジア最大の国際家具見本市"MIFF2023"が、マレーシア・クアラルンプールにて2023年3月1日から4日にかけて盛大に開催された。会場はMITEC(Malysia International Trade & Exhibition Centre)とWTCKL(World Trade Centre Kuala Lumpur)。主催者は Informa Markets。
多くの来場者でにぎわうMIFF2023会場のMITEC
昨年開催されたMIFF2022はコロナ禍で3年振りの開催であった。しかし、まだ一部海外渡航制限が実施されている状況下で急遽例年とは異なる7月開催となったため、2019年の開催と比べると規模が縮小している感は否めなかった。しかし、例年通りの3月開催で満を持して準備を進めたMIFF2023は、出展者数671社/団体とコロナ禍以前のMIFF2019と比較しても12%増加。来場者も当初目標の130ヵ国2万人以上をクリアした。
バイヤーをもてなすBuyer's Nightに出席した日本人参加者
マレーシアは自国内で製造された家具の約80%を海外輸出する。そのため、マレーシアの家具が多く展示されるMIFFには東南アジアはもちろん、アジア、欧米、中東諸国など世界各地からバイヤーが訪問する。日本もマレーシア家具とは馴染みが深く、マレーシアの輸出統計では輸出価格で日本は第3位(2022年MFC調査)となり、日本の家具輸入の国別統計でも中国、ベトナム、台湾、タイに次いで金額ベースで第5位(2021年貿易統計)となっている。例年、MIFFには日本からも多くのバイヤーが訪問し、買い付け商品を探している。今回も家具小売店や家具系のEC販売事業者、商社など多くの日本人バイヤーがMIFF2023を訪問した。日本人バイヤーの声としては、「デザイン性や機能性が昔と比べると格段に良くなっている」、「会場を見て回って商談もすると、2日では足りないぐらいのボリュームがある」、「少し価格は高くなっているが、よい家具が多い」など総じてMIFFに対する評価は高い。
日本パビリオンは海外バイヤーからの注目度が非常に高かった
今回のMIFF2023でのトピックスとして、日本パビリオンの出展がある。これまでMIFFにはフランスベッドと向陽技研が継続出展してきた。この2社に加えて、イケショウ、大地コーポレーション、チヨダコーポレーション、パナソニックハウジングソリューションズの4社が新たに出展したことで、日本パビリオンとしてまとまりが生まれた。出展企業はすべてアジア家具フォーラムの会員企業で、アジアの家具業界の活性化に向けた活動を行う同団体がパビリオンのとりまとめを担った。日本パビリオンはMITEC3階に出展し、連日多くの来場者でにぎわう人気ブースとなった。MIFFに初出展した日本企業にもコンテナ単位の注文の約束が入ったり、欧米系の家具メーカーから共同開発の話が持ち上がるなど、日本製家具の輸出促進に向けて大きな効果があったようだ。
一般社団法人アジア家具フォーラムのMIFFでの活動レポートの詳細はこちら
MIFF2023 レポート
2020年以降、新型コロナウイルスの流行により世界各地で多くの国際家具見本市が規模縮小を余儀なくされてきたが、MIFF2023の盛況を見る限り、本年からグローバル経済は本格的に復調し、コロナ禍以前の水準を上回る規模での開催が増えていく事になりそうだ。
次回開催のMIFF2024は、2024年3月1日から4日にかけて開催される。会場は同じくMITECとWTCKLの2会場を予定している。
国際家具見本市は2019年以前の水準に戻りつつある