漆塗り家具の取り扱いで知られる㈱森繁は、4月20日に一部関係者に対して事業継続が困難になった旨を通知して、行き詰りを表面化させた。

　当社の前身である旧：㈱森繁は、昭和19年に創業した老舗企業であり、香川県の伝統工芸である漆塗り家具のトップメーカーとして知られ、百貨店や家具販売店に販路を構築して、ピーク時の平成2年12月期には年商35億3,000万円内外を計上していた。

　しかし、バブル崩壊後は長引く市況悪などによって売上が落ち込んで採算性も悪化。平成28年10月に、金融機関の主導によって本業の家具製造を手掛ける現在の㈱森繁と、大半の不動産と負債を引き継いだ㈱ジャクソンに会社を分割した。

　その後、㈱ジャクソンは29年5月に高松地裁から特別清算開始決定を受けて倒産し、残った㈱森繁は金融機関や支援ファンドなどの協力を得ながら、家具製造を続けていた。しかし、市況悪などから計画通りの業績推移とならず、遂に支えきれず今回の措置となった。負債総額は10億5,000万円内外と推定される。