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時事彩々≪第15回≫大塚家具の報道




 最近、新聞、テレビ、雑誌など各メディアの大塚家具についての報道が過熱している。テレビでは昼のワイドショー番組にまで父娘の骨肉の争いとして取り上げられた。一流の経済紙までが内紛という過激な表現を用いて報道している。

 内部事情を詳らかに承知しているわけではないが、報道や発表を冷静にみて単純化すれば、事は創業者と次代を担う経営者との経営方針の対立にほかならない。経営に対する考え方や手法の不一致による相克は上場企業にとって至極ありふれた話である。むしろ、すべてが満場一致で物事が進んでいく上場企業の方が危うい。創業者が父であり、新たな経営者が娘であるというだけの話だ。はっきり言って、一代で現在の規模にまで会社を押し上げた勝久氏も、縮小の時代と言われる家具業界の現状のなかで新たなビジネス戦略を展開する久美子氏も卓越した経営手腕を持っている。なぜ一連の報道にみられるような取り上げられ方になるのか疑問に思えてならない。ワイドショーのある番組では自宅にまで押しかけているものもあった。まるで犯罪者か低俗なスキャンダルに追われる芸能人のような扱いだ。

 我々の目から見ると、家具業界のなかにあって大塚家具は上場企業として四半期ごとの業績発表はもちろん、社内においても情報共有化の進んだ極めて透明度の高い企業だ。だが、小売業だけにこれだけの過熱報道にさらされれば、そのイメージダウンは計り知れない。どうも恣意的に悪意を持って取り上げられているような気がしてならないのだが、それは考えすぎだろうか。



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